ウィーン02 カールスプラッツ



016パウラナー教会(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)

 ホテル「ヨハン・シュトラウス」にて朝食を食べた後、朝八時頃にホテルを出発しました。

 ちなみにウィーンは寒いと聞いていたので、着込むためにかなり重装備をしていったのですが、体感気温はさほど寒くはなく、気温が暖かいはずの京都の冬の方がかえって寒く感じられたほどです。また翌年の年初めに北海道に行ったのですが、零下10度ではかえって体感温度としては寒さが厳しくなく、寒く感じる順番では、京都→北海道→ウィーンの順番、といったところでした。ただしウィーンは朝も昼も夜も気温に変化があまりないところが他の場所とは違っていたところです。

 まず最初の目的地はシェーンブルン宮殿です。ホテルの前にもトラム(地下鉄)がありますが、まずは少し歩いてみました。 


017パウラナー教会壁面のウィーン市の認定モニュメント(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)

 ホテル「ヨハン・シュトラウス」の近くには、パウラナー教会 Paulanerkirche がありました。この壁面にはオーストリア国旗で飾られたモニュメントがあり、ウィーン市の認定を受けた歴史的建造物であることを示しています。

 パウラーナー教会はカトリック教会で、1627年から1651年にかけてパウラナー修道会(ビールで有名ですね)によって建造されました。この地にはもともとは別の教会がありましたが、1529年の第一次ウィーン包囲で破壊されました。旧教徒と新教徒の対立に端を発する三十年戦争の只中にパウラーナー教会が建造されていることからもわかるように、皇帝フェルディナンド2世による反宗教改革の一環として建造されたものです。第二次ウィーン包囲によって損傷しています。設計者や建造者は不明ですが、イタリア様式の初期バロック様式の教会建築で、ファザードは三角形のペディメントで飾られています。

 ウィーンの冬は午前八時でも真っ暗です。


018ヴィエトナ−・ハウプト通り(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)

 途中、オットー・ヴァーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツを通りかかりました。このすぐ北側にリンク・シュトラーゼがあり、南側にはカールス教会があります。南西から見ると、後ろ側にウイーン楽友会館がみえます。 


019オットー・ヴァーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツ(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)

 カールスプラッツ駅は、1898年から1899年にかけてオットー・ヴァーグナー Otto Wagner(1841〜1918)の設計により建造された駅舎です。ウィーンの歴史的建造物は、おおむね重厚な大建築が大半ですが、彼の建築はそれに拮抗するかのように、洒落た軽快なデザインとなっており、ウィーン世紀末を象徴する建築物の一つです。

 鉄骨を組上げ、大理石を壁にした簡素なものですが、機能的でありながらもの実用主義に堕落せず、なおかつ歴史都市ウィーンに合致した建築です。


 カールスプラッツ駅の建造に先んじて、彼の設計になる市営鉄道ギュルテル線の西駅舎が建造されています。これは残念ながらその後取り壊されてしまいました


020オットー・ヴァーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツ(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)。左側からトラムに入ることができる



021市営鉄道ギュルテル線の西駅舎(『ウィーン世紀末ークリムト、シーレとその時代』〈セゾン美術館、1989年〉48頁より一部転載)



022オットー・ヴァーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツ(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)

 カールスプラッツ駅からはカールス教会が遠望できます。一方はウィーン世紀末を代表する建築家の作品で、もう一方はオーストリアにおける代表的バロック建築の一つです。この全く異なる建築物が同居して違和感を感じさせることがないところがウィーンたらしめるところなのでしょう。


023オットー・ヴァーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツ周辺から見たカールス教会(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)



024オットー・ヴァーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツ(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影) 



025オットー・ヴァーグナー・パヴィリオン・カールスプラッツ(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影) 



026カールスプラッツ駅の改札口(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)

 まず最初の目的地であるシェーンブルン宮殿に向かうため、カールスプラッツ駅からシェーンブルン駅(U6)に向かいます。

 この時、「ウィーンカード」を使います。ウィーンカードはウィーン市内の公共交通機関の切符です。値段は19ユーロ9セントで、一度改札に通すと、あとは72時間乗り放題なのです。


027ウィーンカード

 シェーンブルン駅も床がタイル貼りのお洒落な駅です。


028シェーンブルン駅(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)

 シェーンブルン駅から宮殿までは歩いてすぐなのですが、途中の路地には右側のような立て看板があります。これはハプスブルク家の当主や后の肖像画が描かれたものなのですが、8割近くが「シシー」ことエリザベータ皇后でした。美貌と悲劇的最期で知られた女性ですが、ウィーンの人はよほどシシーが好きなのでしょう。


029シェーンブルン駅から宮殿までの路地(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)



030シェーンブルン宮殿正面(平成25年(2013)12月26日、管理人撮影)



「ウィーン03 シェーンブルン宮殿」に進む
「ウィーン01 入国まで」に戻る
「雲は行客の跡を埋む」に戻る
「とっぷぺ〜じ」に戻る