ウィーン15 国立歌劇場



224カールスプラッツ駅のエスカレータから国立歌劇場をのぞむ(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 ウィーンには「音楽の都」という称号がありますが、ウィーンにきてからまだ一度も音楽に接していません。そこで国立歌劇場で音楽鑑賞することとしました。

 予約も何もしていなかったのですが、ガイドブックの定番「地球の歩き方」に、立ち見席があり、立ち見席の売り出し開始は上演の30分前であるとあったため、事実上の当日券であることが書いてあったので、立ち見席を取ってみることにしました。

 お昼頃にウィーン散策は一旦打ち切って、ホテルで休憩しました。ホテルにあるパソコンで検索してみようとしましたが、日本語OSがインストールされていないため、日本語が使えず。国立歌劇場のサイトをみてみましたが、ドイツ語がわからないので、何のことだか不明でしたが、少なくとも今日は上演があること、19時から開演であることがわかり、とりあえず14時くらいに国立歌劇場に行ってみました。

 国立歌劇所の正面ではデモ隊がデモをしていました。移民系のデモのようです。


225国立歌劇場前でのデモ隊(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 「地球の歩き方」には「人気のある演目の日は、3時間前くらいから行列ができていることもある。」とあるのですが、開演6時間前の14時にはすでに写真のような行列ができていました。そこであわてて列に並びました。


226立ち見用入口(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 しばらくすると、寒いのを憐れんでか、係員が中に入れてくれました。中に入ると出ることも入ることもできないので、誰かに先に入ってもらって席をとってもらうというようなことは不可能です。(それをしようとした日本人がいたけど係員に断られていました)

 内部はほとんどが外国人で、前の方にいたフランス人の少年が内部にいた人たちに「どこから来たのか、英語と現地語で書いて」といって、メモ帳を書かせていたので、ロシア人、フランス人、韓国人、台湾人などがいたことがわかりました。私の前にいた韓国人がハングルで書いたら、フランス人の少年ははじめてハングルをみたらしく、眼を白黒させていました。

 ちなみに写真上に写っている背広姿の老夫婦ですが、次の日にたまたま国立歌劇場立ち見席入口の近くを通りかかった時にもいたので、仰天しました。毎日来ていたようです。


227立ち見用入口内部(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 国立歌劇場は1945年に爆撃で破壊されましたが、その後再建され、現在に到っています。


228戦災で破壊された国立歌劇場(歌劇場内のパネル)(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 しばらく並んでいると、順番に呼ばれて席の選択となります。立ち見席にはパルテッレ、バルコーン、ガレリーがあり、パルテッレ(平土間)は舞台真っ正面の立ち見席なので、迷わずパルレッテを選びました。しかし値段は4ユーロ、つまりはだいたい日本円で400円ほどです。安い〜。


229国立歌劇場内部(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)



230国立歌劇場内部(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)



231国立歌劇場内部(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)



232国立歌劇場内部(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 立ち見席ではこれでもかというくらいに、係員によって人がぎゅうぎゅうに詰めこまれます。達続けなければならない上に、とにかく狭い。休憩時間などでトイレに行くのはかなり難しいものです。私も途中で屈伸してみたり、しゃがんでみたりしましたが、狭いのでそれもうまくできません。

 右隣の韓国人(先ほどハングルで書いていた人)と、前にいた老夫婦のおじいさんが直立不動だったのは驚きましたが、左隣のフランスの女の子が途中で具合悪そうに座り込んでしまいました。


233国立歌劇場内パルテッレ席(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 立ち見席ではドレスコードがないも同然なのですが、それ以外の席では着飾った老若男女がうようよしています。ウィーン国立歌劇場はきわめて厳しいドレスコードで有名なのです。中には着物を着た日本人女性や、社交界か何かにデビューしたかのような若い女の子までさまざまです。


234国立歌劇場内パルテッレ席(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)。前に先ほどの老夫婦の頭がみえる。

 上演中は撮影禁止なので、写真はありません。こっそり撮ろうとしていた人が係員にこっぴどく怒られていました。


235カーテンコール(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 演目はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」でした。翌日はベートーヴェンの「フィデリオ」でしたが、立ち見席ではかなり疲労困憊していたので、「フィデリオ」よりもわかりやすい「くるみ割り人形」」でよかったと思いました。ちなみに翌日の演目は、昼はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」、夜はベートーヴェンの「フィデリオ」で、「くるみ割り人形」のプリマドンナは橋本清香さんでした。

 ウィーン国立歌劇場管弦楽団はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の母体だけあって、すばらしい演奏でした。立ち見時間は約2時間ほどでした。一生の思い出になるすばらしい体験でしたが、立ち見が2時間、待っている時間も合わせると8時間近くになるため、かなり疲れました。


236国立歌劇場内部(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)

 外に出るとすっかり夜になっていました。夕食は先だってスーパーマーケット「スパー」で買い込んだ現地の食材です。


237国立歌劇場(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)



238カールスプラッツ付近からカールス教会をのぞむ(平成25年(2013)12月28日、管理人撮影)



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