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宮監院は京城（フエ旧市街）内、皇城（阮朝王宮）外の南東に位置した官房である。宦官の療養所であった。
嘉隆年間（1802～19）初頭に建造され、明命年間（1820～40）に一旦廃止となったが、嗣徳6年（1853）に再度造営した（『大南一統志』巻之1、京師、官署、宮監院）。
この時の宮監院は皇城の後圃城の東にあり、中堂と左右に建物があった。太監・宮監などの宮廷に仕える宦官が療養のため居住した。成泰4年（1892）に再度修理を行った（『大南一統志』巻之1、京師、官署、宮監院）。
平安堂は京城（フエ旧市街）内、皇城（阮朝王宮）外の南東、宮監院の南に位置した官房である。重病を患った王宮の女官が隔離された療養施設であり、それは王宮内で死ぬ権利をもっていたのは皇帝と皇太后のみであったからである。堂は3間2厦（桁行3間の左右に1間の庇がつく）であったが、現在では1間2厦となっている。周囲を羅城（城壁）で囲んだ。城壁の正面と後方に門がある（『大南一統志』巻之1、京師、官署、平安堂）。
平安堂は明命4年（1823）10月に創建され（『大南寔録正編』第2紀、巻之23、聖祖仁皇帝寔録、明命4年10月朔条）、成泰12年（1900）に修復された（『大南一統志』巻之1、京師、官署、平安堂）。
［参考文献］
・坂本忠規・中川武・西本真一・中沢信一郎・土屋武・白井裕泰・六反田千恵「平安堂について-ヴィエトナム/フエ・阮朝王宮の復原的研究（その35）」（『学術講演梗概集F-2 建築歴史・意匠』2000年7月）
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平安堂（平成23年（2011）3月20日、管理人撮影）
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