蔵書楼
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蔵書楼(平成23年(2011)3月17日、管理人撮影)
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蔵書楼は京城(フエ旧市街)内部の浄心湖の東側の東豊盈坊に位置する。六部などの官衙の文書を納める施設であった。現存するが、建物自体は個人が全く別の目的で使っており、周囲は生活ゴミなどが散乱している。南側には火薬碪硝庫が位置した。
明命6年(1825)建てられた。建物は石造で、上部は7間2厦(桁行7間の両側に1間の庇が付くこと)、下層は桁行12間であった。周囲に欄杆を設けた(『大南一統志』巻之1、京師、台シャ、蔵書楼)。
蔵書楼の周囲は池となっており、学海池と呼ばれた。池の西に橋が架けられており、ここから出入りした。六部などの官衙の文書はここに納められていた。成泰11年(1899)にさらに建物を新造し、兵士の住居としている(『大南一統志』巻之1、京師、台シャ、蔵書楼)。
書籍を納める場所として池の上にあるということは、書物が傷みやすいため、立地条件としてはよくない。池の上にあることは火事の防止に一見便利であるが、火薬碪硝庫が隣接していることから、万が一の時の保護はあまり期待できる場所にあったとはいえない。現在蔵書楼は宗教施設になっているという。
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京師図・『大南一統志』巻1より蔵書楼部分(松本信広編纂『大南一統志 第1輯』〈印度支那研究会、1941年3月〉44-45頁より転載。同書はパブリック・ドメインとなっている)
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蔵書楼(『PHA THUAN AN HUE -La Citadelle et ses Palais-』〈THE GIOI,2007〉口絵より部分転載)
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